「コラージュ論(池田満寿夫)」

【書名】コラージュ論

【副題】

【著者】池田満寿夫

【出版社】白水社

【出版年】1987年

「ロダンが理解できても何故ロダンが自作をハンマーで破壊したかを理解しようとしない人びとがまだ沢山いる。モネを理解しても、何故モネが絵具を厚く塗ったか理解できない人びともいる。ピカソが「芸術は破壊の蓄積である」といったとき、現代芸術はまさしく物質になったのである。ピカソはハンマーで自作を破壊したわけではないが、観念のうえで美術史を解体し、実際にスクラップを拾いあげ自作に参加させることで、従来の美学を破壊したのである。しかし、ピカソは写実主義からスクラップ彫刻まで、さまざまな様式と素材とを使った。つまるところ、芸術とは自由な存在である、といいたかったのだ。」

私は20才前後の頃はピカソの絵が特に好きだった。そして、当時読んだ池田満寿夫の著述にあるピカソ論は情熱に溢れていて夢中になって読んだ思い出がある。